藤沢の法律事務所の相続コラム34

2020/06/03
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藤沢かわせみ法律事務所です。

今回は、「遺言執行者への貸金庫開扉権限の付与」について、ご説明させていただきます。

 

公正証書遺言を作成する際、遺言執行者の指定も併せて行うことが多いです。遺言の内容によっては、遺言作成者からご依頼を受けて、遺言執行者へ指定していただくこともあります。そして、公正証書遺言によって遺言執行者を指定する際、遺言執行者の権限の範囲を明示することが多いです。この際、遺言者が貸金庫を契約している場合、貸金庫の開扉権限を付与することになります。遺言執行者には相続財産目録を作成する義務があり、遺言者が貸金庫を契約していた場合には、これを開扉する必要があります。遺産の調査における貸金庫の開扉が需要であることは、先日、申し上げたとおりです。

 

一方、公正証書遺言の遺言執行者の権限は、ある意味、定型文言であるという側面があります。そのため、予め、貸金庫の開扉権限が付与されている書式というものもあります。実際には貸金庫の契約をしていなかったにもかかわらず、書式通りに遺言上で遺言執行者も貸金庫の開扉権限を付与した結果、新たなトラブルが発生する可能性もあります。遺言執行者としては遺言上で貸金庫の開扉権限が付与されているがために、貸金庫の所在を探すことになります。また、遺言執行者が「貸金庫は実際に存在しなかった。」と説明したとしても、相続人が納得しないケースも考えられます。遺言執行者としての業務を行うためには、相続人から猜疑心を抱かれないように努めることも大切です。

 

そのため、当事務所において公正証書遺言の作成に関与する場合には、遺言作成者に貸金庫の有無を確認しています。その上で、事態に見合った遺言内容をご提案させていただいております。