藤沢の法律事務所の相続コラム43

2020/06/09
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藤沢かわせみ法律事務所です。

今回は、「賃貸アパートを相続するか預貯金を相続するか考えさせられるケース」についてです。

 

〔相談内容〕

資産家であった兄弟が死亡しました。兄弟は生涯独身で子供がおらず、両親はすでに他界しています。遺言書がなかったため、これまで、他の兄弟との間で遺産分割協議を行ってきました。被相続人は、アパートを賃貸していたほか、不動産、預貯金など、多くの財産を遺していました。他の兄弟は、私が被相続人のアパートの近くに住んでいることもあり、アパートなどの不動産は私が取得して、預貯金を他の兄弟が取得した方が良いと言っています。被相続人は、生前、アパート経営を生きがいにしていたので、私としても被相続人の思いを尊重して、アパート経営を継続したいと考えています。

何か注意しておく点はありますか?

 

〔コメント〕

故人の思いを尊重して遺産分割協議を行うことは素晴らしいことだと考えています。

ただ、被相続人が多くの財産を遺していたのだとすれば、相続税を支払う必要がある可能性があります。ご自身に相続税を支払うことが出来る程度の預貯金があるのであれば良いですが、そうでない場合には、相続した不動産を売却して相続税を支払わなければならない可能性すらあります。また、不動産を相続した場合には、今後、固定資産税などを支払う必要になる場合もありますし、築年数などによっては大規模な修繕が必要になる場合もあります。これらの事情を考慮した上で、不動産を相続することがご自身の生活を圧迫してしまわないか、考えてみてください。

このように、弁護士であれば、全体像を俯瞰した上での解決方法をご提案することが可能です。遺産分割協議が成立した後、「こんなはずじゃなかったのに。」とならないよう、まずはお気軽に弁護士にご相談ください。