藤沢の法律事務所の相続コラム46

2020/06/11
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藤沢かわせみ法律事務所です。

今回は、「相続されない権利義務」についてご説明させて頂きます。

 

相続の発生により、プラスの財産だけでなく、マイナスの財産(債務)も引き継ぐことになるのが原則です。ただし、相続が発生しても承継されない権利義務もあります。民法896条は、「相続人は、相続開始の時から、被相続人の財産に属した一切の権利義務を承継する。ただし、被相続人の一身に専属したものは、この限りではない。」と規定しています。このように、被相続人の一身専属的な権利義務に関しては、相続の発生によっても相続人に承継されません。

 

具体的には、

・雇用契約の労働者・使用人としての地位

・委任契約の委任者・受任者としての地位

・扶養請求権

等が挙げられます。

 

相続が発生したことで、被相続人の使用者から、「明日から働きに来て。」と言われたとして、そのことに違和感を感じる方は多いと思います。一身専属的な権利義務というのは、被相続人が行使しないのであれば意味がない権利義務というイメージであると考えています。

なお、委任契約は委任者または受任者の死亡によって終了することが民法で規定されていますが、これに反する特約が無効になるわけではありませんので、契約当初から自己の死亡後の事務を想定して契約する「死後事務委任契約」に関しては、有効であると考えられています。死後事務委任契約に関しては、また、別の機会にご説明させて頂きたいと考えています。