藤沢の法律事務所の相続コラム63

2020/07/03
ロゴ

藤沢かわせみ法律事務所です。

今回は、「遺産分割調停と複数当事者の代理人」について、ご説明をさせて頂きます。

 

遺産分割調停で弁護士が複数の相続人から依頼を受けている場合、調停成立時には、形式上、一人の相続人を残して他の相続人の代理人を辞任します。今回は、このことに関する話です。

 

遺産分割交渉、遺産分割調停に限った話ではありませんが、弁護士は対立する当事者双方の依頼を受けることができません。「利益相反」と言われています。弁護士は依頼者の利益を実現するために活動するので、特定の当事者の利益を実現しようと活動する場合、もう一方の当事者の利益を損ねることになる可能性があります。法律相談に関しても同様です。

 

遺産分割交渉、遺産分割調停において、相続人が2人の場合には、1人の相続人の代理人として活動します。一方、相続人が3人以上の場合、三者三様で対立していることもありますし、1人の相続人と他の相続人が対立していることもあります。前者の場合には、複数の相続人が一緒に法律相談にいらっしゃることはないと思いますが、後者の場合には複数の相続人が一緒に弁護士に相談することもあります。

 

複数の相続人からの依頼を一切受けない弁護士がいるかどうかは分かりませんが、私の場合にはケースバイケースです。複数の相続人の依頼を受ける場合、将来、当該相続人間で利害が対立する事態が発生しないかどうかを慎重に検討する必要があります。一人の依頼者に固有の主張(寄与分等)を行う結果、その他の依頼者が最終的に取得する相続財産が減少することになります。仮にこのような事態が発生した場合、考え方は色々とあるようですが、私は、全ての相続代理人を辞任することにしています。そのため、複数の相続人からご依頼をいただく場合には、この点に関する注意を何度もご説明させていただいています。もちろん、複数名で弁護士に依頼した方が、一人一人が負担する弁護士費用の面でメリットがある場合もあります。

冒頭でご説明した話に戻りますが、弁護士が複数の相続人の代理人を務めていると、形式的には利益相反に該当してしまいます。そのため、利益相反を解消するために、1人の相続人を遺して、他の相続人の代理人を辞任して遺産分割調停を成立させることになります。