藤沢の法律事務所の相続コラム77

2020/07/28
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藤沢かわせみ法律事務所です。

今回は、「価額弁償」についてご説明させて頂きます。

 

遺留分減殺請求権が行使されると、減殺請求の相手方は、現物を返還することが原則です。そのため、不動産の贈与・遺贈があった場合には、遺留分減殺請求権の行使の結果、不動産の共有状態が発生することになります。なお、この点は、2019年7月1日から施行されている改正民法で改正されています。

 

ただし、不動産に限らず、当該物が事業に用いられていた場合等、現物の分割や返還によって不利益ではありますが、価額で弁償することもできます(民法1041条)。

 

価額弁償によって目的物の返還を免れるためには、価額の弁償をすべき旨の意思表示をしただけでは足りず、価額の弁償を現実に履行するか、または、その履行の提供まで行う必要があります。(最高裁昭和54年7月10日判決)。

 

また、価額弁償における価額算定の基準時は、現実に弁償がされる時であり、訴訟のときは事実審の口頭弁論終結時であるとされています(最高裁昭和51年8月30日判決)。なお、遺留分権利者が侵害額請求権を行使するよりも前に、目的物が処分されていたとき、目的物の処分額が客観的に相当と認められる場合には、その額を基準とするとされています(最高裁平成10年3月10日判決)。

 

 

価額弁償に関してお困りでしたら弁護士松永大希(藤沢かわせみ法律事務所)までご連絡下さい。

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